足場の仕事に興味はあるけれど、「将来続けられるのか」「年を取ったら厳しそう」と不安に感じている方は多いかもしれません。実際、建設現場の中でも足場は高所作業が多く、体力が必要とされるイメージが強いため、長く働けるかどうかを心配するのは自然なことです。さらに、「職人仕事は機械に取って代わられるのでは」といった不安や、「このまま人が減っていく中で、需要が減るんじゃないか」という声も聞かれます。若い世代ほど、安定性を重視する傾向が強く、「体力勝負の現場=不安定」という先入観を持ってしまいやすいのです。でも、本当にそうなのでしょうか?実際には、足場の仕事には時代に合わせて変化している面もあり、「今後どうなるか」を知ることが、進路選びや転職の判断にもつながります。まずはその“変わらない不安”の正体を、少しずつほどいていきましょう。
建設業の将来と足場の役割──なぜ今も必要とされ続けているのか
日本では、少子高齢化や人口減少が進む中でも、建設の現場はなくなりません。むしろ老朽化したインフラの補修や、自然災害からの復旧、都市部の再開発など、定期的な工事需要は今後も続くと見られています。こうした場面で必ず必要になるのが「安全に作業を進めるための仮設構造物」、つまり足場です。どんなに機械が進歩しても、建物の外壁に人が直接手を入れる工程は存在し続けますし、足場の設置はその最初の一歩となる作業です。
また、現場ごとに異なる地形・構造・安全条件に合わせて足場を組むには、高い判断力と経験が求められます。これは単純作業ではなく、状況に応じた「応用力」が必要な仕事です。足場がしっかりしていなければ、どれだけ腕の良い職人が集まっても工事は進みません。そういう意味で、足場職人は「現場全体の土台を支える存在」とも言えます。
さらに、社会全体の安全意識の高まりにより、足場の組み方や使用資材に対する基準も厳しくなっています。これは裏を返せば、しっかりとした知識と技術を持つ職人が、これからますます求められるということでもあります。ただ作業をこなすだけでなく、「安心して任せられる人材」として評価される時代がきているのです。
技術の進化とともに進む“足場の進化”とは?
足場の仕事は昔から変わらないように見えるかもしれませんが、実際には大きく進化しています。例えば、近年では「次世代足場」と呼ばれる新しい資材が現場で導入されはじめています。従来の鉄パイプよりも軽く、組み立てやすい構造になっており、職人の負担を減らす工夫が詰まっています。これにより、高所作業でもより安全かつ効率的に足場を組めるようになりました。
また、ITやデジタルツールの活用も進んでいます。図面作成や施工計画にタブレットや専用アプリが導入されるケースもあり、若い世代にも馴染みやすい環境が整いつつあります。たとえば、現場写真を共有したり、高さや寸法を即時に確認したりといった作業がスマートフォンで可能になっており、これまで紙ベースで行っていたやりとりも効率化が進んでいます。
安全対策の分野でも、現場の変化は顕著です。ヘルメットに取り付けるセンサーや、足場部材の点検用タグなど、事故を未然に防ぐ仕組みが次々と導入されています。こうした仕組みの中で働くことで、「危険な仕事」という印象も少しずつ変わってきています。
つまり、足場の仕事は「昔ながらの体力勝負の仕事」ではなくなりつつあり、テクノロジーと現場の知恵が組み合わさった、より精密で専門性の高い職種になっています。これから職人としての道を考えるうえで、「時代遅れにならない仕事か」という視点ではなく、「変化に対応できる仕事か」が大切な判断基準になるのかもしれません。
若手が活躍できる環境が広がっている理由
一昔前までの建設業界は「年功序列」「体で覚える」が当たり前でした。しかし今は、大手だけでなく中小の施工会社でも、若手が早くから力を発揮できる仕組みが整ってきています。足場の仕事も例外ではありません。その背景には、大きく2つの要因があります。
ひとつは、人材不足です。職人の高齢化が進み、現場では20〜30代の存在が非常に貴重になっています。「若い」というだけで期待され、現場に出る機会も増えるため、経験の積み重ねが早いのです。年齢や社歴よりも、意欲や技術を正当に評価しようとする会社が増えており、「早く一人前になりたい」と思う人にとってはチャンスが広がっています。
もうひとつは、安全と教育への意識の高まりです。今では、未経験で入社しても、座学や現場研修を通じて段階的にスキルを身につけられる体制が一般的になりつつあります。昔のような「見て覚えろ」ではなく、「安全に覚える」「失敗しても学べる」環境があるからこそ、若手でも安心して仕事に集中できるのです。
さらに、足場は作業ごとに“完成形”が見える仕事です。自分が組んだ足場を他の職人たちが使い、作業が順調に進む。その達成感と手応えは、年齢に関係なくしっかり感じることができます。技術が評価され、現場からの信頼が返ってくる──その実感が、若手にとっての大きな原動力になります。
今の時代、若さは足かせではなく、大きな武器です。工夫と挑戦を楽しめる人ほど、足場の仕事でのびのびと成長できる環境が整いつつあります。
足場職人のキャリアパス──現場からその先へ進む道
足場職人として現場で働き始めたあと、ずっと同じ仕事を続けるしかないと思っていませんか?実は、足場の仕事には段階的なキャリアアップの道があり、将来的に選べる選択肢も広がっています。現場経験を積むことは、単なる作業員としての時間ではなく、「技術を証明する力」として次のステップへつながる土台になるのです。
まずは「職長」というポジション。これは、現場をまとめる責任者であり、足場の組み方だけでなく、作業全体の安全・品質・進行管理までを担います。職長として現場を動かせるようになると、仕事の幅も収入も大きく広がります。また、施工管理者や現場監督と連携する機会も増え、業界内での信頼も高まります。
さらに、現場経験を活かして「安全管理」「施工計画」「職人教育」など、現場を支える側へとシフトする人もいます。近年では、経験者が講師として若手を育てる研修制度に関わる例も珍しくありません。手を動かすだけが職人の仕事ではなく、知識や経験を共有することで業界全体を支える役割へ進むこともできるのです。
もう一つの道は「独立」です。実力と信頼を積み重ねれば、元請けから直接依頼を受ける立場になることも可能です。仲間を集めてチームをつくり、自分たちのやり方で現場を進めていく。その自由度の高さに魅力を感じて、独立を目指す職人も多くいます。
将来を見据えて、ただ作業をこなすのではなく「自分は何を強みにしたいのか」を考えることが、成長の第一歩です。濵田工業では、そうした前向きな姿勢を支える環境づくりに取り組んでいます。キャリアの可能性を広げたい方は、こちらをご覧ください。
👉 https://www.hamada-kogyo-inc.jp/professionals
「将来性がある会社」の見極め方──転職・就職時のチェックポイント
足場職人として将来を考えるなら、「どの会社に入るか」は大きな分かれ道です。技術を身につけても、環境が整っていなければ成長のチャンスは限られます。だからこそ、求人を見るときには「条件」よりも「会社の姿勢」に注目してみてください。
たとえば、未経験者向けの教育体制があるかどうか。段階を踏んで技術を覚えられる仕組みが整っている会社は、それだけ若手を大切に育てる文化があるということです。また、資格取得の支援や、職長などへのステップアップを後押しする制度があるかも重要なポイントです。
さらに、現場の安全をどう守っているか、ベテランと若手の関係性がどうかなども見逃せません。実際の施工事例や職人紹介などを通じて、その会社の“雰囲気”や“考え方”を感じ取ることができます。
足場の仕事に不安があるなら、会社選びを変えてみるのも一つの手です。安心して成長できる環境を探すところから、あなたのキャリアは始まっています。