職長教育って何を学ぶの? ②職長教育の講習内容

前回のブログでは、職長の役割や職長教育の必要性について解説しました。今回は、職長教育の具体的な講習内容をご紹介します。


まず、職長教育はおよそ2日間にわたって実施され、受講中の時間は「労働時間」として扱われます。当然、賃金は支払われるので、職長教育を受けたら賃金に反映されているかチェックしておきましょう。教育の内容は「労働安全衛生規則第40条」に規定があり、項目と内容が以下のように定められています。


・作業方法の決定及び労働者の配置に関すること:2時間

・労働者に対する指導又は監督の方法に関すること:2.5時間

・危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等に関すること:4時間

・異常時における措置に関すること:1.5時間

・その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること:2時間

・安全衛生責任者の職務等:1時間


内容を簡単にご紹介すると、効率的な作業の進め方や指示の出し方、人材育成や人間関係構築のコツ、労働災害の予防法や発生してしまった場合の対処法、そして安全衛生管理計画の仕組み・計画策定方法などです。いずれも現場のリーダーである職長には必要不可欠なスキルであり、しっかりと習得しなければなりません。



特に重要なのは、労働災害を防ぐための危険予知活動(KY活動)と、それを実現するための良好な人間関係の構築方法です。職長は現場のリーダーとしてチーム全体に目を配り、不適切な行動を取る作業員がいれば注意しなければなりません。職長教育では、ほめ方・叱り方をはじめとするコミュニケーション術や、人材育成の考え方についても学ぶことができます


そして職長は、職長教育を修了した後も、5年ごとに「職長・安全衛生責任者能力向上教育」を受講する必要があります。職長になったからそれで終わりではなく、むしろまだまだ勉強が続くのです。リーダーとしての役割を果たすために、職長になった後も自らの能力向上に努めましょう。